それはきっと幻の想いだった.それでもわたしにとってはきらきらの宝箱だった.

 

私たちの、私の恋のbgmは

好きな人がいること」「恋を知らない君へ」「バラード」

 

彼からのラインの返信を待っていた自動車学校のいき帰りのバスの中で

イヤホンから流れる音楽。

彼から離れてしまった現実を現実として落とし込むために聞いた失恋ソング。

 

(バラードはあとから不倫のうたと聞いて複雑な気持ちになったけど、、)

 

こんな書き出しで始まってみたものの

私の恋なんて、

恋愛

とは言えないくら小さすぎる芽で、

とっても滑稽な空想だ。

 

でも、そんな私を恥ずかしく、いとおしく感じる。

だから、残しておく。

 

運命だと思った

のは、振られた後の話で。

 

結構ドラマチックな恋愛のかけらだったと思う。

 

内気な学生時代に

話せるクラスメートといったら同じスポーツをやっている人くらいで

優等生?真面目な子話しかけづらい、席に座って本を読んでいる子?

そんな私。

異性なんて、友達の友達とか

自分から話しかけようなんてそんなめっそうもございません。

 

だから、

そんなつながりも共通点もない彼が話しかけてくれた

というか、話の輪に自分を入れてくれていたこと

彼にとってはきっとごく当たり前のことでなんの思い入れもないのだろうけれど

自分にとっては貴重な存在だったのかもしれない。

一時期、彼の話がおもしろすぎて

めったに家族に学校の話しなんてしない私が

おもしろすぎて話したい!!!!ってなってたくらい

彼のトーク力は素晴らしかった。

(でも、彼が話すからおもしろいのであって

私の口から話しても面白さが伝わらないっていう)

 

ほら、学生時代の同じ斑になったとか、

隣の席になったとか

そんな感じ。

席が離れれば話すこともないし

わざわざ挨拶する仲でもない。

 

きっとほんの少しの期間。

でも、ところどころで覚えている程度。

でも、私たちはただのクラスメート。

 

彼のすごいところはいっぱいあるけど

口が悪くて、いや鋭くて。

でも、本質をついているから誰も逆らえない。

正直だし、自分自身が厳しいから。

わがままとは違う、自分の絶対領域を持った人。

 

でも、完璧人間すぎないところ。トーク力が桁違いに面白いところ。

たぶん、努力を惜しまないひとだから本気でやれば勉強だってそこそこだったはず。

そして、運動神経がばかよくて、スポーツでも主力だった。

 

あとは、内気な私みたいな端っこの人間にも話しかける?

というか、きっと根が優しい人だからほっとけないんだろうな。

口悪いけど、優しさが見え隠れするちょっとシャイな男の子。

 

授業や行事で目立つタイプではなかったけど

先生にもクラスメートにも一目置かれて

陰の支配者、ボスはこいつだとずっと思っていた。

 

もてるんだろうな~って思ってたから

というか、私が地味を極めていたから

実際は、成績もそこそこ上位だったし部活だってまあまあ。

友達は元気な子が多かったし

客観的にみるとそんな地味の底辺って感じではなかったのだけれども

周りがきらきらしすぎて地味を極めていた私にとっては

 

正反対のひとだった。

 

学校を卒業して

会うこともなくなって

私だって他に気になる人ができてみたり。

 

おしゃれしてみたって

そこそこのサークルに入ったり

派手な友達と仲良くなったって

根は変わらない。

 

もちろん恋愛なんて自分にはもったいないって。

(その根性が今はもったいないと心から思う。ばか!!!)

 

そんな大学1年の秋?いや、冬か?

友達の友達と一緒にするご飯会という名目の

私の合コンのお試会に参加することになった。

 

この2週間まえに合コンを行ったのだが

これが、まあくそつまんなかった。

初めての合コンだったが、くそつまんね~

原因はいろいろあるが、合コンなんて行くもんじゃね~

そんな私に挽回のチャンスを友達がくれた。

 

おもしろい人たちがいるから、

別に合コンじゃなくて、ただただ面白いから行こう!

 

写真をみせてもらったら

え、知ってるひと???待てい。

 

知ってるかもしれない?

 

そう、上で散々書いた陰のボスがおいでで。

 

え、無理。怖い。陰キャばれるじゃん。

ちょっとは垢ぬけたであろう私をどう思うんだろう。

 

大学1年生、

不安よりも好奇心が勝ちますよね。

 

彼がいたから、いけいけっぽい軍団とのごはん会に行っても

きっとなんだかんだ見捨てないでくれるだろうと。学生時代の優しい彼をどこか期待して、安心していたのだと思う。

 

それでも、前日まで。

いや、当日まで迷いながら。

 

服だって、気合いれすぎてたら引かれるな~

なんて思いながら、一応スカート?って。

なんとか頑張ってみたものの

ださかったな、完全に。恥ずかしい。

 

結局、くそほど楽しかった。

友達の友達だらけで。

知り合いの知り合いで。

彼を筆頭にみんなトーク力がすごすぎたし

私以外、友達も含めて慣れていたから

とても和やかに楽しく和気あいあいと。

 

どんな話したか忘れたけど。

 

普通に電車の終電を超えるか超えないか、まで楽しんだ。

地元が一緒だから帰りは一緒だ。

わざと同じ帰り道を選んだ。

 

瞬時の判断だったけど

きっともうそこで決まっていたんだ、

 

私はこの人が好きだ。

 

みんなでわいわいしてたのから

2人っきりになって

終電だったから人も少なくて

無言もあったり、ちょっと話してみたり??

 

どきどきしてたんだろうけれど

どこか安心しちゃうんだ。

沈黙も、ちょっとした会話も、なんてことない。

 

地下鉄おりて彼の自転車をとりに行く。

雪か雨かがぱらぱらと降っている。

 

実は折り畳み傘を持っていたけれど

嘘をついた。

 

彼は私の歩幅に合わて自分の自転車を引いている。

そして、傘をもっていない。

ということは、私だけ傘をさす?もしくは

相合傘を私が差すってこと??

 

いや、それは無理。

 

2人で濡れながら帰ったほうがましだ。

 

もし、自転車を持っていなかったら

きっとあざとく傘を差してもらっていたかもしれない。

きっとあの日の私ならできたはずだ。

超絶浮かれていたもん。

 

なんとなく私たちが知っている土地で昔話をする。

どんな話をしたかな?

彼を好きになる人はメンヘラですぐ飽きて離れてしまうと。

(私もその一人になってしまったんだけれども)

 

高校の部活の話。今の部活の話。憧れ、夢。

 

たんたんと色々話してくれたんだろうな~

そんな長い時間じゃなかったけれども、

思い出す話がいくつもあるから。

私はきっと相づちをうちながら

興味を持って聞いてるよ、ってことを感じてもらうために

たまに自分の話をしたり、考えを言ってみたり?

そんなところでしょう。

 

帰りが遅かったことを親に怒られたけど

1ミリも後悔していない。

 

こんなに惹かれたのに

連絡先も知らなくて。

友達に教えてもらった。

一瞬でばれた。

 

「あいつのこと、好きでしょ」

 

ごもっともです。

 

昨日はありがとう、楽しかったよ。

 

そんなところ?

 

何回か行ったり来たりして

浮かれたりしたけど

そのあと連絡が途絶えてしまったから

やっぱり雲の上の存在なんだな~って。

 

元々の定位置に戻っただけ。

 

ときめいた心はすぐに落ち着いた。

 

なにも連絡する予定もないまま

たまにTwitterにいいね、押したり。その程度。

接点?なんてどこにあるのかしら。

 

 

 

でも、偶然、、

呼び方や捉えかた次第では

運命 と呼ぶのでしょう。

 

 

 

私たちは直接目を合わせることなく

再会して、付き合って、別れた。

 

私たちはお互いを

直接見つめることなく

直接声を聴くこともなく。

 

私の誰に恋をしているかわからない

大きな恋をした。

愛しくて恥ずかしい恋をした。

 

はじめからおわりまで

彼はつかみどころのない人だったけれども

いつも彼はかっこよくて尊敬すべきひとだった。

 

 

正反対の彼と付き合うんなんて

夢の夢また夢だと思っていたから。

そして、一度ときめきが折れた心だったから

開き直っていた部分はあると思う。

 

だから、カッコつける必要なんてなくて

素直に

君はおもしろくてかっこよくて素敵な人だ

と何の下心もなく言えていた。

 

恋バナもしたっけ?

 

調子に乗って、

ちょっとだけ彼の気持ちを試したくて

合コン行ってみていい?

なんて聞いてみたりしたけど、うーん、

はっきりした答えは返ってこなかった気がする。

 

そんなこんなでラインがなんとなく続いたり

途切れたり。

 

めんどくさい女だなって思うことが多くて

自分が嫌いになったりもした。

 

付き合う時だってめちゃくちゃ拗らせ女だった。

自分だったら逃げたくなるな。こんな女。

 

付き合うのか、付き合っているのか

ちゃんとした告白もないまま

(自分が送った長文ラインがきもすぎてすぐに消してしまったから覚えていない)

 

一応?付き合うことになった気がする。

 

これももしかして幻だったのではと思ってしまう。

 

彼氏、彼女の肩書だってあってないようなもの

その当日だけラインが返ってくるのが

いつもより1.5倍速いな~くらい。

 

ちょっとは優しくなったな~って。

それも、自分が拗らせめんどくさい女だからか。って。

 

だからすぐに期待もあきらめた。

 

彼にとって私は大した存在ではないのだと。

 

それでも、自分にとってのはじめて

大切なひとだったし、

とても尊敬していたし、

何よりも私にとって

はじめて好意を届けてくれたひとだったから

 

嫌いになんてなれなかった。

 

それでも、

きっと不器用ながらに大切にしていてくれたのだと

あとからわかった。

 

私たちはお互い忙しかったし

ちょっと浮かれていた。

 

そして、不器用だった。

素直になれなかった。

 

似たもの同士だった。

だから感覚的にわかる。

 

惹かれ合ったのも

すれ違ったのも。。

 

彼は、最後の最後まで

私のことが好きだったのか、伝えてくれなかった。

 

それでも、人づてに聞いたことがある。

 

私の存在は人に言えないのだと

誰かに自慢したくなるほどの容姿や内面は持ち合わせていなかったし

彼みたいになにかすごい肩書をもっているわけではない。

 

プライドの高い男だったから

私の存在は彼にとってマイナスなのではと。

誰からも羨まれる彼の彼女が私って?

みんなからどう思われるのだろうか、って。

 

周りだけ心配して

私たちのことを気遣ってあげられなかった。

彼は、割とすぐに周りの人に私のことを伝えていたらしいし

意外と多くの人が納得していたようだった。

 

私たちを知っている人に聞くと

意外だと驚く一方で、やっぱりどこかしっくりきていると。

 

不器用だから言えなかったぶん、

届かない言葉多くあった。

 

見えない心が多くあった。

それが嫌で、なんどか言ってほしいと

伝えてみたりしたけど、最後までわからなかった。

 

 

結局、なぜ付き合って、別れたのか

わからないまま私たちの関係はあいまいのまま宙ぶらりんになった。

 

そんなとき、

昔の日記をひっぱりだし

 

地味を極めていた学生時代、

彼が好きだと、彼と付き合いたい

と書かれていることに衝撃が走った。

 

え?私、何回彼に恋すれば済むのだろう???

 

そして、そんな小さな夢、希望を

叶えた未来の私が愛しく頼もしく思えた。

 

すごくない、私??

 

まじで奇跡だったと思う。

大きな接点のない私が彼に会いに行って

となりを歩いて

また再会して

惚れた心を信じて突っ走って

彼にとって一瞬でも特別な存在になれたこと。

 

彼には大きな夢があって

その夢を誰よりも近くで支えて応援したかった。

それが私の大きな後悔。

 

でも、彼はそのかけらをすこしだけ見せてくれたけど

それ以上はみせてくれなかった。

それが私が彼に惚れた理由と別れた理由だ。

 

付き合う前も付き合っている時も別れた後も

私は何回も何回も彼に心惹かれてそのたびに心を折られた。

 

勝手に折れてただけなのかもしれない。

 

彼は私に期待なんてさせなかったし

振ったわけではない。

 

私がいつも不安で不安だったから。

ただそれだけ。

 

別れる直前にみた流れ星に願った思いも

初詣で拝む思いも全部

 

運を信じない彼のために使った。

 

 

そして、その夢は、思いは

去年叶った。

(もちろん、報告なんてないし勝手に得た情報だけれども

これで私の未練もなくなればいいのに)

 

 

私たちは

もう二度と会うことはない。

 

でも、何度でも私は彼に伝えたいことが多い。

 

とても好きだったこと

とてもかっこよかったこと、

とても尊敬していること、

 

そして

聞きたいことも多い。

 

付き合う前、別れたあと

私たちは付き合っている期間を除いて

素直だったと思う。

 

別れたあとも

なんでもなかったように

お互いの恋バナができるほど。

 

理解できないかもしれないけど

そんなところ。

 

だから、もう時効でしょ。

すべて打ち明けてくれたらいいのに。

 

私の想いが重かったのかな

 

でも、そんなのどうでもよかったのに。

私はちゃんと彼に好きだと言えてかな、誰よりも大切だと言えてたのかな。

 

そんなことをふと思いだす。

 

奇跡や運命がない限り、

私たちが再会することや、また繋がりをもつことはないだろう。

 

でも、いつか私はまた会いたい。

 

この恋が始まってかれこれ5年くらいたったけれども

今でも季節に一回、いやもっと?

彼が夢ででてくる。

 

ちょうど今日の夢も。

 

だからって、

未練があるかっていうとまた違う気がする。

 

でも、結婚するなら、自分が家族をつくるなら

この人がいいと

強く思っていた時期があるから。

 

もし、彼がそういう素敵な人をみつけたら

私はひとづてに聞いたら嫉妬しちゃうかもと。

 

ドラマチックに話してみるとこんな感じだけれども

本当は簡単の話で。

 

たった2か月も持たなかった恋愛の話である。

 

 

でも、中身はいっぱい。

私たちの過去の関係性も、2度の再会も

別れた後の関係も

全部私の大切な思い出だ。

 

一番、楽しくて浮ついた青春の1ページだ。

 

だれにでもあるちょっと楽しく恥ずかしい恋バナだ。

 

 

いつかまた私が恋愛するなら

きっとこんなドラマチックな話は無理だろう。

 

でも、きっともっとうまくできるはず。

 

もうたくさん欲張りになるし

素直になる。

 

だって、好きを温めても意味ないじゃん。

自分を苦しめるだけじゃん。

 

だから、もっとうまく好きと向き合える気がする。

 

 

 

またそんな時が来ますように。

 

 

Ps.

いつかまたどこかで声を掛けて

飲めないお酒を飲むときがきたら

へたくそな恋愛だったね、笑い合えたらいいね。

そして、幸せだったねって。

私はとても幸せだったし、ありがたかったよ。

いつもありがたくて助けてくれた。

だから、幸せを願っているよ。