ギリチョコレート

 

季節外れのバレンタインデーのお話を。

 

学生時代にずっと聴いてた

スクールオブロック

 

夜10時から開講するラジオの学校。

色々好きなコーナーはあったけど

何気にバレンタインデー付近の放送が

一番好きだったように思える。

 

ドキドキきゅんきゅん。

 

恋愛なんて、本命チョコなんて

自分には無関係だと思っていたから

人の話で勝手にお裾分けしてもらっていたのかもしれない。

 

生まれてこのかた本命チョコを渡したことはない。

 

高校生の時にクラスの女子で

みんなそれぞれタッパとかに作ってきて

男子にも渡して食べてもらったことはあるけど

それも本命チョコではなかった。

(実はその中にちょっと気になる男子がいて

ほんのすこーしお返しを期待していたんだけど、

まぁお母さんが買ってきたようなちゃんとしたお菓子で

複雑だった。

しかも、その時お返しで5.6個くらいクラスの男子から

ちゃんとしたのをもらって、、

逆に申し訳なく思った記憶が。

こっちなんてイベントとして大量生産しただけなのに

倍返しとはこのことか、と。)

 

もちろん学生時代にも

好きな人というか

気になる人はいたけれど

どの時代も

私に好意を持たれるなんて不名誉だよな

って夢のまた夢の話で。

 

私自身にも、好きだったお相手さんに対しても

ちゃんと向き合えてなかったな、、

と今ならもったいなく感じる。

 

そのバレンタインデー時期にラジオでかかる

ギリチョコレートっていう曲が

とても好きで今でもこの時期になると聞きたくなる。

 

YouTubeとかではあまり見つけることができなくて

ラジオからの音源が一番だなと思うんだけれども

今年もかかったかな〜🎧💝

かかっているといいなぁ〜

きっと恋する女の子に響く音楽だと思うの。

 

渡したかったチョコレートのお話を。

 

高校時代に中学の後輩から

連絡先を教えて欲しいと

とてもとても遠回りして繋がった縁がある。

 

直接が一番物理的には近いはずなのに

同じ学校の先輩に頼むわけでも

同じ部活の後輩に聞くわけでもなく

中学時代の友達伝いに連絡先を知ることになった。

 

彼は同じ中学の1つ下の

とってもスポーツが上手い人。

学年で1番、市内選抜でキャプテンを背負う人。

隣の小学校出身で、実はその頃から名前と存在だけは知っていた。

中学時代は接点はなく、上手いなぁ〜くらい。

基本的に男子部がとっても強かったので

私とはレベルが違う。

実力も練習量も才能も。

 

私は部活に熱はなく

お勉強でそこそこの進学校に進んだわけで。

 

1年後、彼が入学してきた。

 

噂はすぐ耳に入った。

 

強豪校だった子が入部する。

ビッグニュース。

 

私も誇らしいし

元々頭がいいということは知っていたので

少し期待していた。

でもまさかね、

 

私が2年生、彼が1年生の1年間は

特に接点もなく過ごした。

 

彼と元々話したことがないし

部活が一緒といっても

とても上手い彼と不真面目にやっていた私。

うーん。

きっと知らないだろうな。

 

3年になって、どんなきっかけだっただろうか

よくラインする仲になった。

 

でも、相変わらず目は合わないし

挨拶すらしない。

おかしいでしょ。

 

シャイな2人が仲良くなるには

ラインしかないのである。

 

私も最後の1年。

というか高体連までのラスト数ヶ月。

やっと気合を入れて部活に取り組もうと

遅いエンジンをかけ本気モードになったタイミングだった。

自分にもプレッシャーをかける意味も込めて

恥ずかしい先輩になれないという肩書きが欲しくて

実は彼を利用したのかもしれない。

 

部活のこと、

中学の頃の思い出話、

クラスのこと、、

 

彼が初めてちゃんとラインする異性だった。

だから、変なことは言っていないか毎回ドキドキしたし

寝るのが惜しいくらい話が弾んだ夜もあった。

 

私は彼のスポーツへの態度やプレイスタイルが

とても好きだったしかっこいいと心から思っていたし

何よりとっても上手いし、

尊敬しかなかった。

年齢なんて関係ない。

 

だから、そんな彼が私とくだらない話や

適当な話をしている関係なのが信じられなくて

でも、とっても話しやすくて不思議で仕方がなかった。

 

だから、私たちの関係は誰にもいう事ができなかった。

 

だって、私たち側から見たら接点ないし

こんなに何回も何時間もラインしあう仲だって

誰が信じるだろうか?

 

廊下ですれ違っても

体育館ですれ違っても

挨拶もにこりともしない私たちが。

 

こんなよくわからない画面上の関係が嫌になって

心を決め、登校中に声をかけた。

今までも何度も彼の背中は見てきたけど

ずっと、ずっと声をかけることができなかった。

 

でも、声をかけないままはおかしい。

だって、私はここにいて、

彼は目の間に存在しているから!!

 

なんて声かけたかな。

 

トントンと肩を叩いて

びっくりしたような表情で振り返ったかな。

 

もしかして、ずっと画面の中の存在の方が

良かったのかな。

そんな不安もあった。

 

一緒に歩いた20分弱。

何を話しただろう。

意外と覚えていないんだね。

 

ちゃんと話してた?

もしかして沈黙だった?笑笑

 

彼のメンツを保つために

玄関前でバイバイして

学校に入る時には

いつも通り知らないふりをする。

 

一緒に電車に乗って帰ったことも1回は記憶にある。

朝も数回は一緒に歩いたっけ??

でもきっと片手で数えられる程度。

 

ラインの方が気楽だった。

 

一緒に勉強したい

ってお誘いラインも何回ときたけど

そこまでの勇気は出なくて。

学祭でお互いのクラスに遊びに行ったり。

その頃は、もう引退してたから

周りの目も気にせず

ちょっとはノリで話せてたかな。

 

行事や大会のたびにちょこっとラインしたり

でも、卒業式には会いにきてもいくこともできなくて

やっぱりその程度だったのかと。

どこか期待してた自分が恥ずかしくなったりもした。

 

もし、会えたら渡してあげようと

気合を入れすぎていない程度のきちんとしたラッピングされたチョコレート。

もし、会えてたら

渡していたら本命チョコになったかもしれないチョコレート。

 

もちろん渡すことができなかった。

 

きっと会えなかったのが運命だったと言い聞かせて。

 

 

どんな好意だったかは聞いてみないとわからないけど

きっと彼は私に好意を持っていてくれていた。

 

私が恋心を持っていたと気づいたのは

卒業式の後、離れ離れになった時だった。多分。

 

私の大して面白くないだろう話を聞いてくれたり

何も取り柄のない私を褒めてくれて応援してくれた。

好きになっていい人だったし

好きになるべき人だった。

 

私たちの一歳差は

どんどん離れていくもので。

 

彼は1年後、さらに1年後と受験生だったし

それでも大事な大事な試験日の前日に

私に連絡してきたあいつはやっぱり変だ。笑

そして落ちるあいつは、もう何してんだよ。笑

 

学年で2個下になり

物理的距離もずっと離れ

しかもまだ学生さんだ。

 

私は一応社会人として働いているけど

彼はまだまだ学生さん。

 

遠くなるばかりだ。

 

背中を叩けば隣を歩けるあの頃が懐かしいね。

 

20歳を超えて

いつもいろいろな理由をつけて断っていた約束を

果たすことにした。

(当時、初めて付き合った彼と別れたか、別れる直前かっているとき。私だって彼だけじゃなくて、他の異性とも遊べるんだって思い込みたかっただけのノリ。)

 

2人で飲みに行った。

きまずさ半端なかった。

顔見るのも卒業ぶりなわけで

もちろん2人っきりで話すなんて。

しかも、私服姿は初めて。

もう、恐怖でしかないわ。今思えば。

 

大して面白い話もなかったけど

約束を果たせた達成感は得た。

 

そのあと度々連絡はとってたけど

あまり前よりは弾むことはなくて

やっぱり同じことを共有できるって

幸せなことだったし

青春の1ページが恥ずかしく愛しく思えた。

 

この彼とは今でもきっと連絡できるし

もう下心も恋心もございません。

 

だから、コロナが終わったら

また会ってみようかな。

誰かいい人いないって??

そして、あの頃、私のことどう思ってた?って。

鬼畜な先輩ですか、私?????

 

私は本命チョコ渡しそびれたよ。

受け取ってくれたかな。

って。

 

偶然だけど繋がった貴重な縁には感謝しないと。

だって勿体無いもん。

結局、彼の本性はわかりません。

違う人から聞く彼は私の知っている彼とは

違う印象を受けるから。

 

でも、きっと私に見せていた姿も

本当の姿だと信じたい。

 

来年は、本命チョコレート渡せますように。

いい女になるぞ。